1 現状と課題整理
「農福連携」については、その認知度も徐々に高まり、農業者側からの作業依頼も増加する傾向にはありますが、一方で対応できる福祉事業所の情報が限定的で、マッチングに苦慮する場面も増加しています。
今後、さらに「農福連携」を普及推進していくためには、福祉事業者の取組意向や「農作業ができるか」、「できるとしたらどういう作業か」、「施設外就労は可能か」などの基礎的情報を整理・把握することが必要不可欠です。
また、「農福商品」の販売については、農福マルシェの開催等によりPRが図られてきたものの、単発イベントで持続性に欠ける面も否めず、また、商品自体についても“マーケットイン”の視点が薄い傾向もあり、継続的販売に結び付きにくいという課題もあります。
2 事業方針
(1)地域単位で農業者・農業団体と福祉事業所が率直に交流しあえるような“仕組みづくり”に取組みます。
(2)福祉事業所がメリットを感じられる“出口(販路)づくり”に取り組みます。
(3)可能な限り幅広い市町村との情報共有を図り、本コンソーシアムへの参画を呼びかけます。
(4)「農業」×「福祉」の認知度を高めるため、情報発信を強化します。
(5)福祉事業所の収益向上のため、“農業”の枠を超えた“儲かる食品関連事業”の情報収集に努めます。
3 事業内容
(1)農山漁村振興交付金関連事業(※事業が採択された場合)
① 福祉事業所の基礎情報の整理
「農福連携」を進めるためには、一定規模以上の農業生産があり、就労支援の福祉事業所も一定数存在することが必要不可欠です。
県内において岡山市はこの条件を備え、かつ片道30分程度の周辺市町村までの活動も可能と考えられることから、市街周辺地域を含めた農業活性化にも寄与すると考えられます。
このため本年度は、専門調査員を雇用し、岡山市内の福祉事業所(約180事業所)の状況把握と基礎情報の整理を行い“作業マッチング”のし易い体制整備を図ることとします。
② 農福フェアの開催等
“商品づくり”において「農福だから・・・」という甘えは通用しません。
法令に基づく正しい表示、適切な量目や価格、魅力ある包装等は、商品を販売していくうえで不可欠な要件です。
このため本年度は、“農福フェア”開催、並びに岡山高島屋との事前商談会を開催し、農福商品の販売担保を確立することに努めます。
③ 新しい販売チャンネルの構築
②の“農福フェア”出店により販売担保を得た商品について、以下により継続的販売の実現に取り組みます。
・高島屋グループでのオンライン販売
・岡山高島屋に新設(常設)する“農福販売コーナー”で販売
④ 先進地視察
先進事例研究のため、県外視察を行います。
⑤ その他
福祉事業所数の多い市町村から順次情報共有を図るとともに、本コンソーシアムへの参画を呼びかけます。
(2)(公財)橋本財団助成金活用事業(公式ホームページの制作)
現在、つむぐ(株)HP内に間借りしている“農福コンソーシアム岡山HP”を独立・充実させ、「農福連携」に関する情報発信を強化します。
(3)農福コンソーシアム岡山事業
① 赤唐辛子の生産・販売事業(前期から継続)
ア 継続して生産に取り組む事業所及び県立興陽高等学校等と伴走し、生産方法・生産技術の再検証を行い、生産マニュアルづくりに取り組みます。
イ 生産過程で発生する“赤く着色しない(青いままの)唐辛子”については、新規販路の開拓を検討し、総合した収益性の向上を目指します。
ウ 出口(エスビー食品)との価格引き上げ交渉を行います。
② 実山椒の生産推進
前期に引き続き、実山椒の生産推進に取り組みます。
③ その他
以下の研究に取り組みます。
・緊急救命72hおかゆ
・乾燥野菜